今野製作所 ケルビム「CR 」ご注文頂きました。

今回ご紹介するのは東京町田に工房を構える今野製作所さんのブランド「ケルビム」でオーダーしましたコンパクトレーサー「CR」です。

今野製作所は日本のスポーツサイクル黎明期から続く老舗工房。現在は2代目となる真一氏が代表を務め、メディア露出なども多く、講師なども務められているので自転車趣味人の皆様なら一度は聞いた事のある工房ではないでしょうか。

http://www.cherubim.jp/ 今野製作所HP

初めてのスポーツバイクという事でご相談をいただきましたので、とにかく納得できるまでじっくりとご相談をさせて頂き(最終決定まで1ヶ月ほど通って頂きました)最終的に今野製作所さんでのフルオーダーフレームに着地。

フルオーダーといえば「最後の一台に」といわれるほどハードルとコストが高そうなのですが、今や高性能化したマスプロのミドルモデルですら七、八十万円の世界。準備やお渡しまでの時間はかかりますが、同等の費用で用途や好みに合ったあなただけのバイクが仕上げられます。

という事でフィッティングスケールを使って採寸をし、専用のオーダー用紙を詰めていきます。

ケルビム専用オーダー用紙があります。

使うレバーやハンドル、ステム長を決めたあとリーチを逆算できる喜びはオーダーフレームにしかありません。

クリンナップしてもらったジオメトリに若干の変更などを重ねながら最終決定していきます。

ケルビムのCRはマイナーチェンジを繰り返しながら長くラインナップされているコンパクトレーサーですが、その特徴はショートホイールベースやオフセットのほとんどないフロントフォーク、逆スローピングのシルエットなど「走り」を意識している事。

現行のCRはディスクブレーキ仕様が選べたりゼロスタックヘッドになっていたり、さらに近代的になっています。

完成!

カラーは1968年メキシコオリンピックが開催された際、日本から参加した唯一の自転車選手井上三次が乗ったケルビムに採用されたものと同色のパールアイボリーにて。

オーダーならではの綺麗な溶接と仕上げ
コンポーネントはもちろんカンパニョーロ!
ケルビムらしいスマートなチェーンステーブリッジ

クラシックにはふらず、ハンドルステムなどをブラックでまとめる事でCRらしいレーシングな雰囲気になりました。

ペダルはワンタッチで取り外し可能なMKSのEZYシステム付。

ホイールは定番のアレックスのDA22(451)とEVOライトハブ。スポークは鈍いゴールドが綺麗なウイングスター。ちら見えするクイックレバーはカンパニョーロをチョイスしました。

オーダー頂いたのは昨年の3月、実にまるっと1年以上かかってのお渡しとなりました。

その間、世界的な物流の混乱などでパイプの供給が不安定になったりなかなか難航してしまいましたが無事に形になってホッとしました。

やはりフルオーダーの1台は悩んだ時間と調べた情報、そしてお客様の「想い」が結晶になっていく様が見れて本当に嬉しいものです。

以前東洋フレームをご紹介した際にも書きましたが趣味自転車界の成熟に欠かせない「オーダーメイド」というキーワード。

(オーダーメイドは和製英語らしいので「カスタムビルド」や「テイラーメイド」の方が語感がカッコよくて好きです。)

自転車は人によって様々な使い方があり、個々の「ベスト」が全然違うところにあるもの。

下駄履き、お散歩、通勤通学、輸送、旅行、キャンプ、アドベンチャー、レーシングなど、全て自転車の使い方です。

最大公約数的なマスプロ製品はもちろん価格も性能も素晴らしいですが、何年も自転車を楽しんでいる方にとって歯痒い部分も見えて来るはず。

その回答として「オーダーメイド」を実現できるのが金属フレームの最大のメリットです。

幸い日本には沢山の工房があり、そういった希望に応えられるビルダーさんがいらっしゃいます。場合によっては直接ビルダーさんを訪問し、打ち合わせをする事が可能なのも魅力ですね。

自分と自転車の関係を真剣に向き合って考えると、おのずとたどり着く答えは「オーダーメイド」なのかもしれません。

CYKICKSでは日本を代表する「東洋フレーム」「ケルビム」のディーラーとして貴方だけの自転車を仕立てるお手伝いをさせて頂いております。

ご興味ございましたらどうぞお問い合わせ下さいませ。

最後は工房の様子が見れるインタビューのご紹介です。

本日はここまで、ありがとうございました。

スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ