カンパニョーロの手元変速レバーであるエルゴパワー。今回のご依頼はそんなに頻繁には使わないけど動かないと困る！という遠方の同業者の方からのご依頼でオーバーホールを承りました。
カンパの手元変速レバーの登場は92年モデルの8sからで、シマノに遅れること１年ですがその機構はシンプルで11s初期までは完全分解可能かつ各種スモールパーツの供給がされており、破損した場所や劣化してきた場所のみを修繕して永く使えるという素晴らしいサポート体制でした。
ただし修理できてしまう分なかなか買い替えに繋がらないのでメーカーやショップには厳しかったのと、修理が手間なので「良さ」として啓蒙出来なかったためか現行品エルゴはASSY供給だけになってしまっています。12sや13sという最新のエルゴは繊細な動きに対応した部品精度になったため再組立が難しくなったのが理由かもしれません。
EC-RE100 などの11sエルゴパワーのASSYは14,124円（税抜）で今も生産が続いていますので修理が不可能ではないところに意地を感じます。
とにかく「部品さえ手に入れば直せる」というこの時代のレバーは気に入った良いものを長く使う派の方には貴重な製品なので、今この世代のレバーをお使いの方は大切に維持頂ければと思います。
特に不調というわけではなかったのですが、すでに20年近く動いているものだったので分解清掃と消耗品の交換を行いました。
消耗品として交換したのは破損が多いGスプリングと角が丸くなって滑りやすくなっていたラチェットの2点。
エルゴレバーは順番通りに分解と組立をすれば正常に動作してくれるので組立工程は複雑ですが間違い組立は起こりにくくなっています。
こういう点もショップ側で分解清掃を想定した作りになっておりシマノやスラムとの考え方の違いが垣間見えます。
残念ながら全ての消耗品が供給されているわけではありませんが、入手できる部品の修理や清掃作業などは行えますので、もしお手伝い出来ることありましたら下記フォームよりご相談下さいませ。
購入時は割高に見えるカンパニョーロ製品も同時期に流通していたST77や78などは死んでしまってどうにもならないものが多いですから長い目で見ればそうでもない？というのがこういう時に体感できますね。
CYKICKSでは店主のカンパニョーロ愛も上乗せされておりますので、カンパ製品に関して可能な限り修理のお手伝いさせていただいております
本日はここまで、ありがとうございました。
スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ
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