バイクフィット講習会を受講してきました。

今回は先週参加してきたバイクフィッティングシステムのパイオニアであるバイクフィット社の講習会のお話をご紹介いたします。

さて、早速ですが皆さまはバイクフィッティングとバイクサイジングの違いはお分りでしょうか?

バイクサイジングはその名の通り正しいフレームサイズのバイクを選ぶ事です。ショップで自転車を購入する際に行うのはサイジングですね。

ではフィッティングとは何でしょう。

乗っているバイクが正しいフレームサイズでも、個々のサイクリストに合った最も効率よく快適に乗れるポジションになっているわけではありません。それを調整するのがバイクフィッティングと呼ばれるサービスです。

体格や体型に合わせて適切に乗れる自転車を選ぶ事がサイジングです
バイクと接する3点を最適化することがフィッティングです

フィッティングを行うことでライドに伴う痛みの軽減とペダリング効率のアップが期待でき、結果的に「楽に早く走る」ことができるようになるのです。話題によく上がるペダリングスキルと呼ばれる技能の努力を積み重ねてもバイクフィッティングが行われていなければ効果は期待できません。

今回そのバイクフィッティングをCYKICKSでも導入すべく講習会に参加して参りました。なんとなくの経験ベースでなく、科学的に裏付けのある方法で安心してサービスを提供できれば良いと思います。

講習は日本に1台の専用フィッティングマシンにて!リーチ&スタックがピッタリ合わせられる最新モデル!

さて、実際の講習会では最新のフィッティング事情を沢山お聞きしながら(来年デルコマルセイユに移籍しツール出場を目指す別府フミのフィッティングはバイクフィットの伏見さんが行なったそうです!)あくまでベーシックにフィッティングの基礎をしっかり確認していきました!

計測ポイントの見極めが難しいのです

後半は自分が被験者となりフィッティングの実践講習。身体の柔らかさや事故歴、スポーツ歴などの問診からはじまりメーターやツールを使った各部の角度測定やレーザーを使ったポジションの位置決めを行いました。

こういったレーザーで正確に芯合わせをします

自分の場合は自覚症状がありつつなんとか騙しながら乗っていた原因を的確に補正され霧が晴れたようなペダリングが可能になりました!

補正後のクリートはこんな感じ。

キーポイントはこのクリートの下に挟まっているバイクフィット社のコアプロダクト達。

ここでそもそもバイクフィット社とはどういった会社かを少しご説明します。

バイクフィット社の誕生は1990年代。代表のポールスイフト氏はアメリカのトラックナショナルチャンピオンを8回優勝するような名選手でしたが選手の傍らバイクフィッティングも担当していました。その当時はフィッティングという概念は今ほど確立されておらず、ペダルと足の位置出しも側面から調整するだけだったところ、故障の多い選手の原因が左右方向の膝のブレであること、その原因は身体的特徴の「足底部の傾き」である事を発見しました。

時を同じくしてペダリングによる膝の痛みの医学的な証明がBG fitの生みの親であるアンディプルーイット氏により行われ、スイフト氏の説は証明されます。そして95年に同社初の製品であるクリートにスペーサーを挟み足底部のカントを調整する「クリートウェッジ」と足の前足部内反を補正するインソールスペーサー「sole power」が発売されたのです。

以降「ペダルをまっすぐ踏む」事をコンセプトに左右の脚長差を調整する「レッグレングスシム」。Qファクターの調整をする「ペダルスペーサー」などを開発。これらを正しく組み合わせる事で左右差を無くし膝関節が単純にまっすぐ曲がれるような環境を整える事で怪我の防止とパフォーマンスの向上を実現します。

リトゥールをはじめ世にある様々なフィッティングの基礎となったこのコンセプトは爆発的に広まり、現在では国際バイクフィッティング協会が生まれるまでになりました。

https://ibfi-certification.com/

国内では株式会社サンメリット代表の伏見さんが2010年以来バイクフィット公認フィッターとしてバイクフィット社が提案するフィッティングの科学的な解説と調整、それに欠かせないバイクフィット製品の正しい利用方法を伝道してくれています。

そんなバイクフィット社のメソッドによるフィッティングをCYKICKSでも受け付け開始いたします!ライド中の痛みについてのお悩みやフィッティングにご興味のある方は是非ご連絡下さいませ。今後はフィッティングのあれこれもご紹介していこうと思います。

長時間の講義ありがとうございました!
CYKICKSでも計測用レーザーを用意しました!

本日はここまで、ありがとうございました。

スポーツバイクメカニック 横山ヨーイチ